2012年1月29日日曜日

若年性アルツハイマー介護日記

いつものように、17時半に病院へ行く。
 
看護師さんが、二人だけになれる、
食堂に、通してくれた。
中では、作業療法士の方が、
机の上に、山になっていた、
サンタクロースの衣装を、片づけていた。
 
今日は、クリスマス会があったんです。
ミニコンサートもあって、
皆さんで、歌も歌いました。
 
そうですか。
それは、楽しそうでしたね。
 
どうだった?
楽しかった?
 
うん。
 
あまり覚えていないようだ。
 
コンサートは、楽しまれていましたけど、
皆さんで、サンタクロースの服を着る時は、
いやがって、着てもらえませんでした。 
 
そうですか。
 
多分、機嫌悪くなって、抵抗したのだろう。
 
机の上には、片づけようとうしている、
サンタの衣装がある。
 
もうすぐ、クリスマスだよ。
ほら、着てみよう。
かわいいぞ〜
 
花子さんに、
赤い上着の、袖を通した。
ニコニコしていた。
 
いいですね〜
では、これもかぶりましょう。
 
帽子を取り出してくれた。
 
さっき、写真を撮れなかったので、
撮りましょうか。
 
ナースステーションに行き、
カメラを持ってきてくれた。
 
患者さんたちの、手作りのソリと、
デコレーションケーキを横にして、
記念撮影。
 
それが、これです。
 
 
 
服と帽子は、100円ショップ。 
あとは、すべて、手作り。
 
 
 
作業療法士の方と、しばらく話をした。
  
ソリの紐は、上手に、三つ編みにされている。
ケーキのデコレーションも、
紙を丸めて、かわいく、飾りつけ。
 
病院には、デイケアも併設されているので、
その方たちが作ったのだと思った。
 
ところが、花子さんと同じ病棟に
入院している方たちが
手分けをして、作ったそうだ。
 
出来栄えの見事さに、驚かされる。
そんな、細かい仕事が、出来るなんて。
 
入院している、年配の方は、
手が覚えているので、
上手に、紐を編むそうだ。
 
1月に貼りだす、龍の織物を見せてもらった。
見事な作品に、びっくりしてしまった。
 (来月、貼り出されたら、写真を載せます)
 
いつも、デイルームでは、
声をはりあげたり、落ち着かない様子の、
方達だ。
  
 

僕は何度も、そして多くの人が言ってるが、
 
認知症になったからと言って、
何もできなくなるわけじゃない。
 
記憶と、生活に障害が出ているだけで、
出来る可能性は、たくさん残されている。
 
 
 
花子さんは、園芸クラブに入っているそうだ。
編み物や、工作は苦手だが、
植物を育てるのは、好きだ。
 
今、球根を植えて、春に芽を出すのを、
楽しみにしているらしい。
 
 
 
久しぶりの、晩御飯。
写真は、たくさんたまっているが、
日記が、追いつかない。
 
花子さんは、
八宝菜定食。
ご飯にのせて、中華丼にした。 

 
 
僕は、
なんと!
松葉ガニ。
 

 
星子さんの伯父様が、
送ってくれたのを、
おすそ分け。
 
贅沢に、一人で、一杯食べた。
足には、松葉ガニの水揚げ港、
津居山港の、青色のタグがついている。
 
生きている状態だったので、
美味さを逃さないように、
蒸してみた。

二匹もらったので、
蒸して一杯は、
両親へ。
  
贅沢でした。
 
(蟹の単位は、生きてるときは、「匹」で、
 調理されると、「杯」だそうな )
 

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ずっと更新が、出来ていませんでした。
いつも、来てくれている方。
ごめんなさい。
 
開いても、毎回ランの顔。
 
すごく忙しく、余裕がありませんでした。
 
なんだか、間が空いた時は、
いつも、同じ言い訳をしているような・・・
 
 
 
一人で、3人+1匹の介護。 
おまけに、息子の結婚も近づく。
 
ヘルパーさんになれる。
 
主婦の労働時間を、給料に換算すると、
すごい金額らしい。
僕も、同じかな。
 
まあ、お金はもらえないが、支払いもない。
行って来いだな。
 
 
 
9月から、ほぼ毎日、
花子さんのところへ行っている。
 
夕ご飯の、食事介助だ。
 
病院は、17時半を過ぎると、翌朝まで、
約40人の患者対し、
看護師、スタッフ、3人体制になる。
 
入院している、約3分の1の人は、
点滴、胃ろうで、食事介助の必要はない。
3分の1は、自分で食べることができる。
残り、3分の1は、スタッフが食べさせる。
 
食べさせてもらう人は、
ミキサー食、半固形物が、多い。
 
 
 
花子さんは、自分で食べることが、
出来なくなっている。
お箸、食器を持ち続けることができない。
 
距離感がなくなり、
食べ物の置いてある場所が、
わからない。
お箸を持った手も、空中を泳ぐ。
視線が、固定されないので、
食器のある場所が、分からない。
 
食べたい気持ちはあるので、
茶碗に、直接顔を突っ込んでしまう。
口まで、届かず、食べられない。
 
テーブルの、何もないところに
手を差し出し、
指で、つかむ。
つまんだ手に、食べるものはないが、
それを、口に運び、
大きな口を開けて、食べる動作。
でも、何も入っていない。
 
 
 
スプーンにのせて、口まで持って行く。
全介助がなければ、食べることはできない。
 
口まで運んであげれば、
固形物は、食べられる。
飲み込んだ後に、
 
どう?
 
って聞くと。
 
おいし〜い。
 
あま〜い。

 
ニコニコして、伝える。
 
これは、

すごく!
すごく!!
大事なこと。
 
 
噛んで、味わえるのは、素晴らしいことだ。
あらゆる機能と、伝達を使って、喜びになる。
  

 
つい最近も、
友達夫婦、6組で昼食会をやった。
お刺身を、美味しそうに食べていた。
 
食べる喜びは、残してあげたい。
だから、毎日病院に行くのは、
苦にならない。
 
僕が行けば、花子さんは、
晩御飯を、完食だ。
 
 
 
病院へ行く喜びは、もう一つある。
 
花子さん、
 
相変わらず、
僕を見つけると、声を出して、抱きついてくる。
 
10月に、一度だけ、
病院へ行かれない日があった。
若年認知症家族会・彩星の会の、
一泊旅行があった。
 
  皆さん、ご本人を含めて、夫婦で、
  参加される。
  僕は、一人での参加。
  どうしようか迷ったが、
  ご本人の男性の、サポーターが出来ればと思い、
  参加した。
 
  代表、副代表、世話人、
  出席している、すべての人が、
  認知症の介護を経験している。
  その人たちと、酒を飲み、
  笑って、苦労話ができる。
  そんな心地よい場所が、
  最大の魅力だ。
 
土・日の、旅行。
帰りの日曜日は、東京駅に、
4時半に着いた。
急げば、花子さんの夕食に間に合う。
 
病院へ着いたのは、5時50分。
夕食の6時に、ぎりぎり間に合った。
 
病棟に入ると、看護師さんに連れられ、
花子さんが、近づいてきて。
 
なんと、
 
花子さん。
 
泣きながら、
 
よかった〜
 
と言って、
抱きついてきた。
 
看護師さんと、顔を見合わせてしまった。 
 
前日の夕ご飯の時、
僕が病院に行かなかったのは、
覚えてないと思う。
 
いつも、
 
昨日も来て、ご飯食べたんだよ。
 
と言っても、前日のことは、
覚えていない。
 
でも、
感覚的に、
 
長い時間、
会っていないと言うのは、
気持ちの中に、感じてる。
 
だから、瞬間的に、
恋しくて、泣いたんだろう。
 
そんなのを見せられると、
行かないわけに、
いかないんだな〜
 
でも、会ったすぐ後に、
もう、恋しさなど忘れ、
僕を見ても、ボ〜〜ッとしているのは、
お愛嬌だ。
 
 
さて、晩御飯
花子さんは、魚のフリッター定食。
タラを衣で包んで、
美味しく焼いている。
 
 
 
僕は、
トンテキ
豚を香ばしく焼いて、
玉ねぎ、にんにく、生姜のソース。
付け合せに、野菜炒めたっぷり。
一皿で、満腹。
お酒は、
山形の、大山 純米
 

  

  
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